第5話 キャピタルとの出会い──「買えないなら、自分で作る」という選択

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髪型や服装を少しずつ意識するようになった頃、私には一つの憧れがありました。

キャピタルというブランドです。

初めてその服を見たとき、「こんな世界観があるのか」と驚きました。

民族的な雰囲気を感じさせるデザインや、使い込まれたような風合い。流行を追いかける服というより、一着一着に物語があるような印象を受けたのです。

「こんな服を着てみたい。」

そう思うようになりました。

しかし、現実はそう簡単ではありません。

私にとってキャピタルの服は決して安い買い物ではなく、気軽に何着も揃えられる価格ではありませんでした。

眺めることはできても、手に取ることは難しい。

そんな存在でした。

それでも、不思議と諦めようとは思いませんでした。

「買えないなら、似た雰囲気のものを自分で作れないだろうか。」

そんな考えが、自然と頭に浮かんできたのです。

当時は、男性向けのサルエルパンツも今ほど多くはありませんでした。

店頭や通販で見つかるものの多くは女性向けで、「これだ」と思える一着にはなかなか出会えません。

欲しいものがない。

買いたくても買えない。

その二つが重なったことで、私の中に「作る」という選択肢が生まれました。

40代半ばの頃、私は洋裁を学び始めます。

最初から立派な服を作れたわけではありません。

型紙とにらめっこをし、布の裁断に戸惑い、何度も失敗を繰り返しました。

それでも、自分の手で一着の服が形になっていく時間は、とても新鮮でした。

今思えば、私が作りたかったのは服そのものではありません。

「自分が本当に着たいと思えるもの」を、自分の手で形にしたかったのです。

既製品を自分に合わせるのではなく、自分の暮らしや価値観に合わせて作る。

その考え方は、やがて服だけにとどまらなくなっていきます。

小物へ、DIYへ、そして暮らし全体へ。

「作る楽しさ」は、少しずつ私の生活の一部になっていきました。

振り返れば、キャピタルとの出会いは、単に好きなブランドを見つけた出来事ではありません。

「ないものは、自分で作ってみよう。」

そんな考え方を教えてくれた、大切なきっかけだったのです。

次回は、洋裁を始めたことで服だけではなく、首飾りや指輪などの小物づくりへと広がっていった、ものづくりの楽しさについて書いてみたいと思います。


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憧れの服をきっかけに生まれた「自分で作る」という発想は、一時の思いつきでは終わりませんでした。

既製品を探すより、自分の暮らしや体型に合うものを、自分の手で形にしてみたい──そんな思いが少しずつ強くなっていきます。

次回、第6話「40代から始めた洋裁──『着たい服』は、自分で作ればいい」では、男性向けのサルエルパンツが少なかったことをきっかけに、40代から洋裁を学び始めた過程と、ものづくりの楽しさに目覚めていく様子をお話しします。

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