人の記憶

警察官だって人の子──法を守る人間と、人情で動く人間の境界線

映画や漫画に登場する警察官を眺めていると、時々妙なことに気づく。同じ警察官なのに、作品によって「正義の味方」にもなれば、「嫌な奴」にもなる。警察内部の不正を調べる内務調査官などは、その典型かもしれない。汚職刑事を追い詰める映画では、内務調査...
人の記憶

山姥より人間が怖い──『三枚の御札』に見る、昔話と人間社会の境界線

先日、アニマックスで懐かしい『まんが日本昔ばなし』を見ていました。子どもの頃に見ていた番組が、何十年も経った今になってテレビに映っている。それだけでも少し不思議な感覚になります。ところが、ふと画面を見ていると、昔とは違うところが気になりまし...
人の記憶

最終話 『人間の境界線──技術の先にある未来で、私たちは何を人間と呼ぶのか』

人間とは何だろう。この問いは、古くから哲学や文学で繰り返し考えられてきた。しかし、人工知能、ロボット、義体化技術、仮想空間が現実へ近づく時代になると、その問いは空想ではなく、未来の社会が向き合う問題になりつつある。これまで人間と機械の間には...
人の記憶

時計より腹時計──夜型人間と猫の時間は、少し違う

昨夜のことである。深夜帯、私は酒を飲みながら、深夜番組を眺めていた。真剣に番組を見ているわけでもない。酒を飲みながら、テレビから流れてくるものを何となく眺めている。私にとっては、いつもの夜である。そんなところへ、一階から同居人が上がってきた...
人の記憶

路地裏の狭い酒場で飲む──カウンター越しに届く酒と肴

CS放送の「さとのか4K」で、『酒の道しるべ』という番組を流し見していた。東京・恵比寿周辺の飲み屋街を歩きながら、路地裏の酒場を訪ね、酒を飲む番組である。撮影は昼間だった。だから、夜の酒場らしい喧騒はない。それでも画面に映る狭い路地を眺めて...
人の記憶

五億円の温度差──ハワイの豪邸と、川村社長の「五億!」

午後のひととき。何となく「旅channel」のハワイ高級物件情報を流し見していた。画面に映るのは、青い海を望む豪邸。広々としたリビングに、開放的なテラス。そして、それを紹介する不動産仲介業者の女性たち。皆さん美人で、話し方も実に落ち着いてい...
人の記憶

野生に憧れた文明人──ベア・グリルスと「帰りたい」の境界線

Discovery Channelを見ていると、ときどき「これは本当にサバイバル番組なのだろうか」と思うことがある。その代表格が、ベア・グリルスである。彼のサバイバル番組を見ていると、水がなければ何とかして水分を探し、食料がなければ昆虫や動...
人の記憶

酒はいつから「贅沢品」になったのか──一人飲みの時間まで税金に追われる時代

薬局を兼ねた食品売り場で、酒の棚を眺めていた。薬を買うために立ち寄った店なのに、食品から日用品、そして酒まで並んでいる。今では、こうした店も珍しくなくなった。そんな酒売り場に、やたらと大きな広告が貼られていた。「税率変更前にお早めに」どうや...
映画から考える社会

『タクシードライバー』──夜の街を走りながら、社会を嫌いになっていく男

映画を観ていると、「なぜか最後まで観続けてしまう作品」がある。『タクシードライバー』は、私にとってそんな映画の一つだ。派手なアクションが続くわけでもない。主人公が超人的な能力を持っているわけでもない。それなのに、夜のニューヨークを走る一台の...
映画から考える社会

「視線の境界線──『Pearl』『X』『MaXXXine』から考える人間」9 三部作が残す「見る/見られる」の境界線

『Pearl』『X』『MaXXXine』の3作品を続けて観ていると、最初は単純なホラー映画の三部作に見えていた物語が、少しずつ別の姿に変わってくる。農場。映画撮影。ハリウッド。宗教。欲望。身体。カメラ。そして、そこにいる人間たち。それぞれ違...