第1話 短髪しか選べなかった頃──鏡を見るたびに感じた小さな違和感

その他の雑記

私が髪の変化を意識し始めたのは、30代半ばの頃でした。

それまで髪のことで悩んだことはほとんどありませんでした。しかし、ある日ふと鏡を見ると、髪一本一本が以前より細くなり、地肌が少し透けて見えるようになっていることに気づきます。

当時は、「年齢を重ねれば誰でもこうなるものだろう」と、それほど深刻には考えていませんでした。

ところが、40代に入る頃になると、その変化は少しずつ目に見えるものになっていきます。

特に気になり始めたのは、生え際でした。

額が少しずつ後退し、これまでと同じ髪型では思うようにまとまらなくなっていったのです。

そこで私は、髪型を変えることにしました。

サイドと後頭部をできるだけ短く整え、頭頂部や生え際とのバランスを少しでも自然に見せるような髪型を選ぶようになります。

最初のうちは、それで十分でした。

「髪型を工夫すれば、まだ何とかなる。」

そんな気持ちもありました。

しかし、時間が経つにつれて髪そのものがさらに細くなり、以前のようなボリュームは出せなくなっていきます。

髪型だけでは補いきれないと感じる日が増え、鏡を見るたびに「また少し進んでいるのではないか」と考えるようになりました。

髪の変化を意識するようになった頃から、私の服装にも少しずつ変化が現れます。

ゆったりとした民族的な雰囲気の服装を好むようになり、それに合わせて帽子を取り入れる機会も増えていきました。

帽子は私の生活の一部となりましたが、自然にかぶるためには短めの髪型のほうが全体のバランスが取りやすく、結果として短髪を選ぶ理由はますます増えていきました。

当時の私は、「好きだから短髪にしている」のではありません。

薄毛、服装、帽子。

そのすべてのバランスを考えながら、自分なりに工夫を重ねていたのです。

今振り返れば、それは「髪型を選んでいた」のではなく、「限られた選択肢の中で、自分らしさを探していた時間」だったように思います。

そして、その頃から少しずつ考えるようになります。

「このまま髪型だけで工夫を続けるしかないのだろうか。」

その問いが、私が次の一歩を考え始めるきっかけになりました。

次回は、一度は本気で考えた「スキンヘッド」という選択について書いてみたいと思います。


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薄毛を意識し始めてから、私は短髪で工夫を重ねるようになりました。

しかし、髪型を変えるだけでは解決できない現実もあり、「いっそのこと、すべて剃ってしまおうか」と真剣に考えた時期もあります。

次回、第2話「スキンヘッドという選択肢──諦めることではなく、自分に合う道を探した」では、ワイルドなスタイルへの憧れと、頭の形という現実の間で揺れた葛藤についてお話しします。

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