映画から考える社会

人の記憶

鰻は買うものではなかった──土用の丑の日に思い出す川の記憶

土用の丑の日が近づくと、CS放送では決まって鰻の蒲焼を紹介する通販番組が流れ始める。しかも、一日に何度も同じ番組が繰り返される。「厳選した国産鰻」「ふっくら香ばしい蒲焼」「暑い夏こそスタミナを」。画面いっぱいに照り輝く蒲焼が映し出されるたび...
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善人と悪人のあいだ ― 『愚呂地』と『レ・ミゼラブル』を観て

昨年、時代劇専門チャンネルで板東妻三郎主演の無声映画『愚呂地』を観る機会があった。古い無声映画であるにもかかわらず、不思議な余韻が残った。主人公は一人の侍である。師範代の娘に想いを寄せたことから誤解を招き、職も地位も失ってしまう。やがて世を...
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『佐武と市捕物控』が問いかけるもの──正義とは一体、誰のためにあるのか

時代劇専門チャンネルで『佐武と市捕物控』を流し見していた。作業の合間に見るつもりだったのだが、気づけば手が止まっていた。それほど、この作品は「事件」よりも「人間」を描いている。主人公・左武は岡っ引きである。悪人を捕らえ、人々を守ることが仕事...
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『佐武と市捕物控』が教えてくれること──人はなぜ誰かのために動けるのか

時代劇専門チャンネルで『佐武と市捕物控』を流し見しながら作業をしていると、ふと手が止まる場面がある。盲目の居合いの達人・市が、ようやく目が見えるかもしれないという手術を受ける話だ。医師からは「決して包帯を取ってはいけない」と言い渡される。こ...
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「帰って来ます」という言葉の揺らぎ

愛媛県の言葉に、「帰って来ます」という表現がある。私はこの言葉を、少し特別なものとして受け取ってきた。もちろん、文字だけを見れば「帰る」という意味である。しかし、私の感覚では、それだけではない。「今日はここで別れますが、また明日やってきます...
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夜が終わる頃、人は仕事を脱ぐ──映画『ゴミ屑と花』を観て思い出したこと

Amazon Prime Videoで、短編映画『ゴミ屑と花』を観ました。上映時間は約30分。夜勤のゴミ収集員として働く研修生と指導員が、担当区域の収集ルートを巡りながら仕事を覚えていく物語です。道中では、ゴミの出し方をめぐる住民とのトラブ...
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人はなぜ、守られていることを忘れてしまうのか──『バーニング・シー』が残した一言

作業をしながら、映画『バーニング・シー』を流し見していた。北海油田で発生したガス漏れをきっかけに、海底地滑りという未曾有の災害へと発展していく物語である。事故現場に取り残された家族を救うため、主人公は燃え広がる海へ向かう。救助艇に海水を入れ...
人の記憶

『鬼平犯科帳』が何十年経っても色褪せない理由──私が物語より先に「人」を見てしまうわけ

若い頃と、今とでは見ているものが違う最近、時代劇専門チャンネルで『鬼平犯科帳』を流し見することが増えた。「流し見」と言いながら、気づけば手が止まり、いつの間にか画面に引き込まれている。不思議なのは、若い頃と今とでは、見ているものがまるで違う...
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人はなぜ誰かに憧れるのか──強さの先に見えてくるもの

「あの人みたいになりたい」と思った日のこと人は誰しも、一度くらいは誰かに憧れたことがある。テレビの中の俳優。漫画の主人公。歴史上の人物。あるいは、身近にいた先輩や恩師。子どもの頃は、それが当たり前だった。「強そうだから。」「格好いいから。」...
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人はなぜ、食卓を囲むのだろう。

衣・食・住は人が生きるための基本とされています。しかし、人が集まる場を思い浮かべると、その多くは「食」を中心に成り立っていることに気づきます。結婚式の披露宴、祝宴、法事、祭り、会社の飲み会、友人との食事会。海外ではホームパーティーや晩餐会、...