食の記憶

人の記憶

人間の顔は一つではない──鬼平から、ねずみ大根と我が家の黒歴史へ

9月12日、時代劇専門チャンネルで『鬼平外伝 正月四日の客』が放送されていました。正月の話を九月に見るというのも少し気が早いのですが、年末に向けた再放送ということで、久しぶりに流し見していました。この作品で松平健さんが演じるのが、盗賊の首領...
人の記憶

月夜に寄り添う三毛猫──寝酒の時間に残る、もう一つの余韻

酒の味わいは、舌で感じるものだけではない。香り、温度、グラスを傾ける時間。そして、その場に流れていた空気までもが、一杯の酒の記憶として残っていく。私にとって夜更けの寝酒には、もう一つの余韻を添えてくれる存在がいる。三毛柄の猫、月丸である。私...
人の記憶

「おでんの季節、我が家にはポトフがやって来た──チャボ誕生待ちの食卓」

台風の影響なのか、日差しがいくぶん抑えられた、穏やかな天候が続いている。夜更けになると、鈴虫などの鳴き声が聞こえてくる。昼間はまだ夏の余韻を残しているものの、夜のひんやりとした空気には、秋口らしい気配が漂い始めた。季節は、どうやら少しずつ秋...
人の記憶

時計より腹時計──夜型人間と猫の時間は、少し違う

昨夜のことである。深夜帯、私は酒を飲みながら、深夜番組を眺めていた。真剣に番組を見ているわけでもない。酒を飲みながら、テレビから流れてくるものを何となく眺めている。私にとっては、いつもの夜である。そんなところへ、一階から同居人が上がってきた...
人の記憶

路地裏の狭い酒場で飲む──カウンター越しに届く酒と肴

CS放送の「さとのか4K」で、『酒の道しるべ』という番組を流し見していた。東京・恵比寿周辺の飲み屋街を歩きながら、路地裏の酒場を訪ね、酒を飲む番組である。撮影は昼間だった。だから、夜の酒場らしい喧騒はない。それでも画面に映る狭い路地を眺めて...
人の記憶

酒はいつから「贅沢品」になったのか──一人飲みの時間まで税金に追われる時代

薬局を兼ねた食品売り場で、酒の棚を眺めていた。薬を買うために立ち寄った店なのに、食品から日用品、そして酒まで並んでいる。今では、こうした店も珍しくなくなった。そんな酒売り場に、やたらと大きな広告が貼られていた。「税率変更前にお早めに」どうや...
旅の記憶

景色は最高の酒の肴──流れる風景が一杯をおいしくする理由

酒は、料理だけが肴ではない。私にとって一番の肴は、流れていく景色である。若い頃から、ちょっとした旅へ出かける時は、小さなポケット瓶の酒を持ち歩くことがあった。もちろん、自分で運転する時に酒は飲まない。助手席や後部座席に座り、車窓の向こうへ流...
人の記憶

マッチ箱に残る酒場の記憶──一杯の酒より長く残るもの

夜の街には、昼間とは違う時間が流れている。明るい看板や人の往来から少し離れた場所に、小さなバーがあった。そこは、ただ酒を飲むだけの場所ではなかった。カウンター越しに交わされる会話。 古いレコードから流れるブルース。 マスターが語る、昔の酒場...
人の記憶

『ドッグスノーズと九匹の接客係──酒場は昔から、少しだけ騒がしい』

夜更けに酒を飲むことがある。最近は、ビーフィーターをビールで割った「ドッグスノーズ」を飲むこともある。名前からすると少々物騒だが、ジンとビールを合わせたカクテルである。ビールの苦味にジンの香りが加わるため、かなり辛口だ。甘いカクテルとは違っ...
人の記憶

『AIR』をスポーツ音痴が見る──ジョーダンを口説いた営業マンと、酒場のおっさんの話術

ザ・シネマで『AIR/エア』を流し見していました。私はそもそもスポーツにほとんど興味がありません。バスケットボールのスター選手と言われても、マイケル・ジョーダン本人について詳しいわけではない。ところが、「AIR JORDAN」というバスケッ...