一人で町へ出ると、不思議と酒の肴になりそうな店へ足が向きます。
居酒屋だったり、小料理屋だったり、昼間から一杯やれそうな町中華だったり。食事をするというよりも、その店の空気を味わいに行くような感覚です。
ところが、同居人や家族と出かける日になると、行き先は少し変わります。
「今日はどこで食べようか。」
そんな話をしながら車を走らせていると、気が付けば「すけろく」の看板が見えてきます。
愛媛県ではおなじみの町中華チェーンですが、高級中華でも昔ながらの町中華でもなく、どこかファミリーレストランのような気軽さがあります。
だからでしょうか。
一人ではあまり選ばない店なのに、誰かと一緒になると自然と候補に挙がるのです。
昼どきになると店内には家族連れ、仕事の合間に立ち寄る会社員、買い物帰りの夫婦など、さまざまな人たちが思い思いに食事を楽しんでいます。その光景を眺めていると、この店が地域の暮らしに溶け込んでいることがよく分かります。
私が楽しみにしているのは、好きなおかずを二品選べるランチです。
ニラ玉や八宝菜、野菜炒めにエビチリ。その日の気分で組み合わせを考える時間も、この店ならではの楽しみです。
サラダバーで少しだけ野菜を多めに取り、ドリンクバーでコーヒーを飲みながら食後をゆっくり過ごす。豪華ではありませんが、気持ちは十分に満たされます。
ラーメンやチャーハンだけではなく、ご飯によく合うおかずが揃っているのも「すけろく」の魅力です。
町中華でありながら、どこか家庭の食卓にも近い安心感がある。その絶妙な距離感が、この店にはあります。
思えば、一人で食事をするときは、自分の好きな店へ向かいます。
けれど、誰かと一緒なら、「みんなが気持ちよく食べられる店」を自然と選んでいます。
だから連れができると、いつの間にか「すけろく」が寄り道の候補になるのでしょう。
店を選んでいるようでいて、本当に選んでいるのは、一緒に過ごす時間なのかもしれません。
食事を終えて店を出る頃には、満たされているのは胃袋だけではありません。
何気ない昼のひとときが、少しだけ豊かな時間だったと思える。
そんな店が、この町にはあるのです。
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料理は空腹を満たすだけではなく、その時代や一緒に食べた人の記憶まで連れてきてくれます。そんな「食と記憶」の話を、こちらの記事でも綴っています。



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