37万8000円の知能犯と、横に伸びた茶色いウサギ

人の記憶

今日は同居人の買い物に付き合い、大型商業施設の敷地内にあるペットショップへ出向いた。

目的は爬虫類用の温室ヒーターである。

これまで同居人は、発泡スチロールを利用した自家製の温室を作り、爬虫類の保温環境を整えていた。しかし、どうやら手作りの設備にも限界を感じ始めたらしい。

とはいえ、温室ケースそのものを買い替えるわけではない。今ある自作ケースはそのまま利用し、下に敷くヒーターを物色するのだという。

箱は自作、暖房設備は市販品。

なかなか合理的な組み合わせである。

そんな同居人がヒーターを探している間、私は店内の珍しい生き物を眺めていた。

そこで目に留まったのが「イエガラス」という鳥だった。

カラスといえば、街中でゴミ袋を漁ったり、人間の隙を見て食べ物を持ち去ったりする、なかなか抜け目のない鳥である。

その知能は7歳児ほどとも紹介されていた。

大きさは、昔、叔母の家で飼われていた九官鳥と同じくらいだろうか。見た目はカラスそのものだが、こうして店内で眺めていると、街中で見かける連中とは少し違った印象を受ける。

ところが、さらに驚いたのは鳥そのものよりも、その鳥かごだった。

南京錠がいくつも取り付けられているのである。

普通の鳥かごなら、簡単な留め具で済むところだろう。しかし、相手は知能の高いカラスである。

もしかすると、留め具を開ける程度のことは覚えてしまうのかもしれない。

飼い主もなかなか苦労しているのだろう。

そして、値札を見て二度驚いた。

37万8000円。

鳥一羽の値段として考えると、なかなかの高額商品である。

しかも、南京錠が幾つも付いた鳥かごの中にいる。

まるで知能犯を収監しているような光景だ。

こちらが鳥を観察しているつもりでも、向こうは向こうで人間を観察しているのかもしれない。

その隣には、もう一匹、別の意味で目を引く生き物がいた。

巨大な茶色いウサギである。

身体を横に伸ばし、すっかりくつろいだ様子で寝ている。

その姿を見て、我が家の「のの」を思い出した。

あの図太さといい、横に伸びきった姿といい、どこか見覚えがある。

こちらは37万8000円の知能犯とは違い、ただひたすら寝ているだけだ。

もっとも、我が家にも猫が9匹いる。彼らを眺めていると、動物というものは人間が考えている以上に、それぞれ勝手な都合で暮らしているように思う。

人間が用意した立派な設備も、動物にとっては単なる寝床だったり、遊び場だったりする。

同居人は爬虫類のために温室ヒーターを探し、私は37万8000円のカラスと、ののによく似た巨大なウサギを眺めていた。

同じペットショップに来ているのに、見ているものはずいぶん違う。

結局、今日の買い物で私が持ち帰ったものは、ヒーターでも鳥でもウサギでもない。

また一つ、ブログの雑談ネタが増えたということである。

ペットショップという場所は、飼うつもりのない生き物ほど面白いのかもしれない。


次の記事

コメント

タイトルとURLをコピーしました