学園祭の季節になると、大学の構内が急に騒がしくなる。
屋台が並び、ステージが組まれ、芸人ライブやバンド演奏が始まる。
普段は静かなキャンパスが、数日だけ別の街のようになる。
学生たちは楽しそうに歩き回り、SNSには賑やかな写真が並ぶ。
しかし最近になって、私は別のことが気になるようになった。
あの学園祭は、一体誰が動かしているのだろうか。
実行委員会とは何なのか
学園祭には「実行委員会」というものが存在する。
名前だけは昔から知っていた。
だが正直に言えば、私は長い間、
「当日の案内係のようなもの」
くらいにしか思っていなかった。
ところが調べてみると、実際にはかなり多くの役割を担っているらしい。
- 出演者との連絡
- ステージ管理
- 予算管理
- 出店調整
- パンフレット制作
- 広報活動
- トラブル対応
つまり、単なる雑務係ではない。
小さなイベント会社のような仕事を、学生たちが行っているのである。
芸人ライブ一つでも仕事は増える
最近では、学園祭に人気芸人やアーティストを呼ぶ大学も珍しくない。
愛媛大学医学部の学園祭でも、ラジオ局で学生たちが宣伝を行っていた。
どうやら芸人ライブが大きな目玉企画になっているようだった。
観客側から見れば、
「芸人が来るらしい」
で終わる話である。
しかし裏側では、
- 出演交渉
- スケジュール調整
- チケット管理
- 会場設営
- 警備
- 赤字リスク
など、多くの準備が必要になる。
もしチケットが売れなければ損失になる。
トラブルが起きれば対応もしなければならない。
華やかなイベントの裏側には、かなり地味で神経を使う仕事が存在している。
「主催者などやるものではない」
昔、あるCDショップの店長がラジオでこんなことを言っていた。
「主催者などやるものではない。」
当時は冗談のように聞いていた。
しかし学園祭の実行委員会について調べているうちに、その意味が少し分かる気がしてきた。
イベントというのは、成功すれば当たり前だと思われる。
だが、問題が起きれば最初に責任を問われるのは主催者側である。
観客は楽しみに来る。
しかし実行委員会は、「問題なく終わらせる」ことを考え続けている。
学園祭は小さな社会だった
さらに面白いのは、実行委員会の中にも役割分担が存在することだった。
- 委員長
- 副委員長
- 会計
- 広報
- ステージ担当
- 出店担当
など、それぞれ担当が分かれている。
つまり学園祭は、単なる学校イベントではなく、
「小さな社会」
のような構造を持っているのである。
一人では運営できないため、役割を分担し、責任を持つ人間が必要になる。
これは会社や自治体の構造にも少し似ている。
祭りを見る目が変わる
私は実行委員会の経験者ではない。
だから最初は、
「何をしているのかよく分からない」
というところから始まった。
しかし調べていくうちに、学園祭の見え方が少し変わった。
以前は、
「賑やかだな」
程度にしか思っていなかった。
だが今は、その裏側で動いている人たちの存在を考えるようになった。
ステージの音響を確認する人。
予算を計算する人。
出演者と連絡を取る人。
当日の混雑を管理する人。
祭りというのは、ただ自然に発生しているわけではない。
誰かが裏側で支えているから成立しているのである。
学園祭から見えてくるもの
学園祭の実行委員会を調べているうちに、不思議なことに地域の祭りや花火大会のことまで気になり始めた。
さらに、
- ライブ主催者
- 協賛企業
- テレビ局
- 映画の製作委員会
などにも、少し似た構造があるように思えてきた。
人が集まる場所には、必ず運営する人間がいる。
そして、その多くは観客からは見えない。
学園祭とは、単なる学校行事ではなく、
「人が集まる場をどう支えるのか」
を学ぶ、小さな社会実験なのかもしれない。



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