昼時になると、下の階から甘く柔らかな味噌の香りが漂ってくる。匂いだけで、白味噌のまろやかな甘みや舌触りまでがふと呼び起こされる。愛媛の白味噌は、甘めで優しい味わいが心に残るのだろう。
農家の昼食は手軽さと腹持ちが重視される。大きめのおにぎりに味噌汁、地元で漬けた野菜の漬物――この組み合わせは、畑仕事の合間に口にするだけで、心も体もほっと安らぐ。もうすぐ田植えの準備が始まる。田んぼの土を踏みしめる朝に、この匂いと味わいが、農家の季節と暮らしをまるごと呼び戻してくれるのだ。
久しぶりに飲んだ郷土の味噌を使った味噌汁の余韻とは裏腹に、猫たちにもお裾分け気分で半年ぶりにチュールを与えた。すると、その余韻は思いのほか強烈だった。あのやかましい徐倫は詩人のような静けさを保ち、飄々面のコリンは初老紳士のような落ち着きを見せる。二階では、クールな月丸が天の玩具に与えていた100円ショップのネズミの縫いぐるみを抱え、嬉しそうにはしゃいでいた。
味噌汁の香りと味覚がもたらす静かな余韻と、猫たちの変化が、昼下がりの家に穏やかで不思議なリズムを生み出していたのだった。
農家風味噌汁&おにぎりセット(1〜2人分)
材料
白味噌:大さじ2(甘めの白味噌、濃口味噌など好みに応じて)
出汁:300ml(昆布、鰹節、煮干しなど好みで)
豆腐:1/4丁(柔らかめ・絹豆腐推奨)
ワカメ:ひとつまみ
ネギ:適量
ご飯:茶碗1〜2杯
塩:少々
地元野菜の漬物:適量
季節の地元野菜(例:タケノコ、菜の花、フキなど):適量
作り方
鍋に出汁を温める。昆布出汁はまろやか、鰹出汁は香り高く仕上がる。
豆腐を切り、ワカメと季節の野菜を加える。野菜は食べやすい大きさに切り、下茹でが必要なものは軽く茹でておくと時短になる。
火を弱め、味噌を溶かし入れる。最後に入れることで香りと旨味が引き立つ。
仕上げにネギを散らす。
ご飯を握っておにぎりにし、漬物を添える。漬物は塩味・酸味・甘味のバランスで味の変化を楽しむ。
ポイント
味噌の種類や出汁を変えるだけで、同じ組み合わせでも印象が大きく変わる。
季節の地元野菜を加えると、彩りが豊かになり、写真映えやSNS映えも抜群。
おにぎりや漬物とのバランスで、味噌汁の余韻がより際立つ。
食材の切り方や茹で方を工夫すると、自分好みの食感や味わいを楽しめる。


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