酒とジビエとロートレックを少々

食の背景 · 歴史

酒の肴には癖のある料理が用いられることがあります。お酒を飲む際にはなるべくお酒の比率を多く取りたいのが私の願望ですが、少しは何か口に入れるものは、と考えることが多くなりました。酒と肴には、酒飲みそれぞれにこだわりがあります。

私がよくイメージする酒飲みの人物に画家のロートレックがいます。生涯酒を愛し続け、アルコール依存の治療のために病院に出向く際には、ステッキの中にブランデーの小瓶を忍ばせて出かけていたと言われています。酒は百薬の長などとは言われますが、依存すると蝕まれます。適度な量でタンパク質を含んだ肴料理を嗜むのが理想ですが、アルコールで内臓が活発になりすぎると暴食の恐れがあり、これが肥満症の原因にもなりかねません。

ジビエの魅力

ジビエ料理は市販で売られている食肉よりも脂質が低いのが魅力です。最近では、狩猟で取られた鹿や猪などのジビエ食材が通販などで手に入りやすくなりました。脂分の多すぎる肉質は最初は美味しく感じても、酒の肴としては重すぎる感覚を持ってしまいます。

昔の酒と肴の風景

食肉用の店が少なかった時代に、こうしたジビエ肉は近くの山や水辺で狩猟がてらに得られることが多かった。主は今夜の酒との相性抜群な料理を想定しながら家で食材加工をしていたに違いありません。食材が大量に取れた場合には、仲間を呼んで宴に興じていたことでしょう。

その際には酔い覚ましの水など飲むことはご法度で、水の入ったグラスには生きた小さな魚を入れていたことだろう。私の住んでいた山間部では、漁師たちが山小屋で酒盛りをする際、小屋の中に風呂を沸かしていました。この湯は山から流れている天然の温泉成分を含んだ冷泉です。酔いが回ると男たちは熱い風呂に入り汗で体の酒を抜き、再び酒盛りに加わるのです。

現代と郷土の記憶

現代ではこうした食材や薪で炊く温泉などを作らなくても、民間施設や宅配などで出来上がった料理が用いられることが多くなりました。酒の種類も豊富で、コンビニなどで気分次第で選択する機会も増えました。しかし、なぜかこうした思考が頭の隅にひっそりと残っているのは、私のDNAの中に郷土の歴史が未だに潜んでいるのかもしれません。

今宵もくだらない話を創作しながら酒を傾け、新しいレシピに思いをはせるのかもしれません。


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