「大根役者」と「ハム役者」を煮込んでみたら

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深夜食堂に出てきそうな創作料理『役者バカ』

言葉遊びから料理が生まれることがあります。

「大根役者」という言葉があります。 演技が下手な役者を少し皮肉っぽく表現する、日本では昔からある言い回しです。

一方、海外では似たような意味で「ハム役者(ham actor)」という表現があるそうです。

大根とハム。

どちらも役者扱いされてしまった食材たちです。

だったら、いっそ同じ鍋で共演させたらどうなるのだろう。

そんな妙な発想から生まれたのが、今回の創作料理『役者バカ』です。


脇役と思われがちな食材たち

大根は、おでんや煮物では定番ですが、どこか名脇役の印象があります。

刺身のツマ。 味噌汁の具。 焼き魚の横に添えられる大根おろし。

気づけば主役の隣にいる存在です。

けれど、ふろふき大根やぶり大根になれば、一気に舞台の中央へ出てくる実力派でもあります。

そしてハムもまた、

朝食の脇。 サラダの彩り。 サンドイッチのまとめ役。

目立ちすぎないけれど、いると全体がまとまる食材です。

そんな二人(?)が主役になる鍋。

脇役の逆襲みたいで、なんだか少し痛快です。


創作レシピ『役者バカ』

材料

  • 大根 1/3本
  • 厚切りハム 4〜5枚
  • 水 500ml
  • コンソメ 1個
  • 黒こしょう 少々
  • ローリエ(あれば)1枚
  • パセリ 少々

作り方

  1. 大根を厚めの半月切りにする
  2. ハムは食べやすいサイズに切る
  3. 鍋でハムを軽く炒め、脂とうま味を出す
  4. 水、コンソメ、ローリエ、大根を加える
  5. 弱火でじっくり煮込む
  6. 大根が透き通り柔らかくなれば完成
  7. 黒こしょうを振って仕上げる

食べてみると意外に深い

コンソメの優しい塩気。

ハムから出る燻製の香り。

そこへ大根がじっくり出汁を吸い込む。

和風おでんとは違うのに、どこか落ち着く味です。

大根の甘みが前に出る頃には、ハムのコクがちゃんと支えている。

まるで主演と名脇役の関係みたいで、料理名が妙にしっくりきます。


深夜食堂の刺身のツマ

この話を書いていると、ふと『深夜食堂』の「刺身のツマ」の話を思い出しました。

あの話では、脇役専門の俳優が刺身そのものではなく、ツマばかりを注文します。

「大根役者ですから」

という一言は自虐にも聞こえますが、どこか誇らしさも感じさせました。

そもそも刺身のツマは単なる飾りではありません。

熟練した料理人が桂むきをし、細く均一に刻み上げる技術の結晶です。

主役の刺身を引き立てながら、口の中を整える役割も担っています。

目立たないから価値が低いわけではない。

むしろ見えにくいところにこそ、職人の技術が隠れているのです。


脇役にも味がある

料理でも、映画でも、人の仕事でも。

世の中は主役だけでできているわけではありません。

目立つ人がいる一方で、その人を支える人がいます。

表に出る仕事がある一方で、裏方の仕事があります。

大根もハムも、普段は脇役扱いされがちな食材です。

しかし調理法が変われば主役にもなれる。

それは人間も同じなのかもしれません。

向いている場所が違うだけで、本来の価値まで失われるわけではないのです。


まとめ

言葉遊びから始まった『役者バカ』という料理。

けれど考えてみると、大根役者もハム役者も、刺身のツマも、どこか共通しています。

それは「脇役」と呼ばれる存在たちです。

しかし脇役だからといって、価値が低いわけではありません。

むしろ主役を引き立て、全体を支えているからこそ必要とされる存在でもあります。

大根とハムを煮込みながら、そんなことを考えていました。

もし冷蔵庫にこの二つが残っていたら、一度『役者バカ』を作ってみるのも面白いかもしれません。

案外、脇役同士の共演が一番味わい深かったりするのです。


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