雪道と白足袋

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今日は父が仕事休みのため、下の階が占領されている。
テレビは最大音量。
掃除機は遠慮なく振り回される。
猫にとっては、なかなか厄介な存在である。
素面でも、どこか酔客のように絡まれるのだから、なおさらだ。
猫たちは早々に静かな場所を察知し、二階へ避難してきた。
コタツ周辺は、毛並みを温める常連たちが入れ替わり立ち替わり忙しい。
私は番台仕事を請け負いながら、アマゾンプライムで古い映画を流し見している。
東北の寂れた造り酒屋の主人が、雪道を歩くだけの作品だ。
派手な展開もなく、ただ白い道を、黙々と進む。
不思議と今日の気分には合っている。
もっとも、上映は何度か中断されている。
月丸のかつての子どもたち、
白足袋ブラザーズの巨漢、「のの」と「運」がキーボードに乗ってくるからだ。
時には画面まで遮られる。
雪道を歩く男の姿は、白い毛並みによって唐突に消える。
しかし、これはこれで仕方がない。
映画は止めればまた再生できるが、猫の気分は一時停止がきかない。
下の階では音が響き、
上の階では質量が主張する。
そのあいだで、私はただ静かな時間を流している。
雪の白と、白足袋の白。
どちらも、今日という一日の風景である。
今日の私も、思考の散歩中だ。
立ち止まる余裕が、まだ少し残っている。
こういう日もある。
それが我が家の家風なのかもしれない。

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