観察記

泣く布団

私の家には猫用のゲージのほかに、手製のキャットタワーがあります。これらはすべて下の階に設置されており、リビングルームの三分の一ほどを占めています。構造としては、ほぼ天井付近まで猫が渡り歩けるようになっていて、棚を段違いに配置した特別な階段も...
猫の記録

深夜食堂 ~午前0時すぎの小さな空間~

日付が変わるころ、2階にひっそりと開店する我が家の小さな食堂。常連たちが集まり、ほんの少しだけ日常から外れた時間が流れます。ぶっきらぼうな店主と個性的な客たちのやり取りを眺めながら、夜の静けさと温かさを味わうひとときです。午前0時、食堂の扉...
猫の記録

見なかったことに・・

我が家には、見た者だけが後片付けを強いられる現象がある。台所から居間の天井付近に、不思議な発光体が漂うことがあるのだそうです。私は未だにこのオーブを見たことはありませんが、親父や猫には見えるのだと同居人が言っていました。私は本来、こうしたオ...
猫の記録

忙しさの間に割り込むもの

只今、下の階では同居人が以前スーパーでもらった珍味盛り合わせの個数を半分に減らそうと、お好み焼きに混ぜ込む準備をしている。それを見定める監視役としてグルマンの天が同居人の肩で凝視しているが、そばにいる親父に降ろされながら、上がったり降りたり...
食と記憶

小さじ一杯の隠し味

寝起き間際、どうしても温かい飲み物が欲しくなり、乳酸菌のお湯割りを作ってみた。軽く口に含むと、なぜか物足りない。しばらく考えた末、ラム酒を小さじ一杯注ぎ、湯割りに混ぜてみる。やはり風味が立ち、少し大人びた飲み物になった。こうした隠し味は、日...
食と記憶

魅惑のカラメルソース

お屠蘇や御神酒など、お酒は場面によって呼び名が変わる。ただの酒なのに、名前が変わるだけで意味合いまで変わってしまうのは、少し不思議な気持ちになる。食事の後、同居人が大きめのグラスに、盛り上がったプリンを運んできた。食後直後だから入らないと告...
食と記憶

匂いに選ばれる夜

――都市の境界を読む「今夜は仕事疲れがあると思うから、もしかしたら豚太郎かも……」同居人が下の階から上がって来て、そんなことを言いました。それを聞いた私は、「うーん……」と、しばし考え込みます。寒気はそれており、日中はそれなりに温かい。しか...
猫の記録

ふさふさのカイロ

猫が胡座をかいた膝に乗るとき、決まって自分の腹に腕を巻き込んでくる。なぜそうするのかは分からないが、この時期には有難い。ふさふさ感のカイロで手を温めているような心地よさがある。仕事帰りはいつも手がかじかみ、心なしか気分まで固くなる。それでも...
猫の記録

嘆きの唄

下の階にて、悲しい様相を醸した鳴き声が響き渡っている。声の主は、巨漢で大食いの「のの」だ。同居人が焼いていた珍味盛り合わせのお好み焼きが、自分の腹に収まるものだと思い込んでいたらしい。食い物の恨みは深いというが、それをとてもよく描写した歌声...
食と記憶

焼きそばメモリー

――都市の境界を読む最近の焼きそばというのは進化しているなあ……などと、時代錯誤な郷愁に浸ることがあります。普段は料理などほとんどしない私ですが、なぜか焼きそばだけは自分で作ることがあります。手順は簡単です。カット野菜をフライパンに敷き詰め...