ことのはびと

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静かな場所の使い方

去年の話になりますが、ブログネタを考えながら映画を流し見することがあります。丁度見逃していた「PERFECT DAYS」が放送されていたため、作業を止めて見入っていました。公衆トイレ清掃員が、日々の労働のなかから些細な気づきを拾い上げていく...
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イカと数の子和え

前回のタコに続いて、今夜はイカです。このアテは王道に近いと思っていますが、見切り品らしく、正月明けから取り残された感じが漂う味でもあります。今夜は仕事疲れで、ストーブの前でうたた寝している同居人の隣で、静かに酒を傾けます。王道には王道らしく...
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タコワサマヨネーズ和え

今宵のアテは、やや変化球じみたものから酒を始めた。一口含むと、美味しいとも不味いとも言い切れない、曖昧な存在感だけが口に残る。こういう奇妙な味に何の酒が合うのかは、正直よく分からない。ただ、ダラダラ酒を飲む言い訳としては、十分すぎる素材だ。...
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猫のエチケット

昼食後、横になっていると、いつものチャラ男が胸の上にどっかりと座り込んできた。顔を近づけたかと思うと、露骨に怪訝な表情を浮かべる。――お前、なんか臭い。そう言いたげな眼差しだった。一瞬こちらを見下ろし、次の瞬間には一匹分ほど後退する。まるで...
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疾風うどん

私がうどんを啜っている周りで、猫が素早く動き回る。猫は「お前がのんびりうどんを啜っている間にも、世界は目まぐるしく移り変わっているのだよ」と訓示しているようにも見える。しかし、私の食事の時間は変わらない。世界の速さを横目に、麺が伸びないよう...
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見えない器

正月休みに酒を飲んで過ごす目的で酒を幾つか購入し、それに合う器を選んでいる最中、ふと気付いたことがありました。普段、何気なくしまっておいたはずのものが見つからず、戸惑うことがあります。それは器に限らず、服や使い慣れた文具でも、同じように起こ...
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座椅子の性(さが)

我が家の食卓はテーブルではなく座卓である。黒みがかった朱色の、四角い古い座卓だ。ぐらつくこともなく、いつの間にか食卓の位置に収まっている。私たちは胡座をかいたり正座をして座るのが常だが、親父が来た時だけ事情が変わる。そのとき座椅子が、当然の...
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揺れる煩悩

帰宅後、しばらくして大きな揺れがありました。一瞬戸惑いましたが、猫たちはさほど恐れる様子もなく、普段通りの動きを見せています。余韻が残っているのか、胡座をかいた辺りが軽く廻るような感覚が続き、しばらくしてそれも止みました。ちょうど旅番組を眺...
塀の向こう側日誌

「塀の中の医療 ― 命を支える現場」

■ はじめに刑務所というと、規律・作業・懲罰といったイメージが先に浮かびますが、その裏で静かに“命を支える”人たちがいます。それが、刑務所の中で働く医師・看護師・医療技官たちです。塀の中にも病気はあります。糖尿病、高血圧、精神疾患、感染症―...
塀の向こう側日誌

「塀の中の寒さ対策 ― 冬の刑務所と感染症との戦い」

■ はじめに外の世界では、冬になるとコートを羽織り、暖房のきいた部屋でぬくぬくと過ごせます。しかし塀の中の冬は、そうはいきません。暖房設備が限られるうえに、換気も制限されやすい――。寒さと感染症のダブルパンチに、受刑者も職員も神経をすり減ら...