猫と暮らしていると、人間の行動は少しずつ変わっていきます。
以前の私は、仕事帰りにコンビニへ立ち寄るとしても、自分の晩酌の肴を探す程度でした。
ところが今では、真っ先に向かうのは猫用フードやおやつが並ぶ棚です。
きっかけは、近所のセブンイレブンの見切り品コーナーでした。
ある日覗いてみると、猫用のおやつやフードが処分価格で並んでいます。
スーパーやディスカウントストアよりも手頃な価格になっていることもあり、「この値段なら試してみよう」と、新商品を買って帰る機会が増えました。
もちろん、すべての商品が猫たちのお気に入りになるわけではありません。
それでも、新しい味との出会いがあるのも楽しみの一つです。
ところが、不思議なことがあります。
まだ袋も開けていないのに、なぜか猫たちは「今日は新商品だ」と察知して集まってくるのです。
我が家で最初に確認作業へやって来るのは、「天」「のの」「徐倫」の食いしん坊三人衆。
袋の周りを囲み、鼻を近づけては念入りに匂いを確認します。
「今日は何を買ってきた?」
そんな声が聞こえてきそうな勢いです。
その姿は、まるで新商品の品質検査員。
人間よりも真剣な顔つきで品定めをしています。
そんな中でも、一番手強いのが徐倫です。
試食が終わっても満足することはありません。
「追加はないのか。」
そう言いたげな顔でこちらを見つめ、無言の圧力をかけてきます。
毎回要求を聞いていては切りがないので、私は寝たふりを決め込むことがあります。
すると徐倫は、それが気に入らないのでしょう。
私の背中へ後ろ脚で「ドンッ」と蹴りを一発。
抗議なのか、催促なのか、それとも腹いせなのか。
目的を果たすと、そのまま何事もなかったように立ち去っていきます。
理不尽といえば理不尽ですが、それも徐倫らしい性格なのでしょう。
気が付けば、私の生活圏にはセブンイレブンがいくつもあります。
「あっちの店には何かあるかもしれない。」
「今日は帰り道を変えて寄ってみよう。」
そんなことを考えながら立ち寄る店が、一軒、また一軒と増えてきました。
店員さんから見れば、毎日のように見切り品コーナーを覗いている少し変わった客に映っているかもしれません。
けれど、その先には新商品を心待ちにしている猫たちがいます。
見切り品コーナーは、節約のためだけの場所ではありません。
我が家では、人間も猫も少しだけ幸せになれる、小さな宝探しの場所になっています。
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猫たちに振り回される毎日も大変ですが、それに負けないくらい予想外なのが同居人の発想です。我が家では、人だけでなく暮らしそのものが思いもよらない方向へ転がっていきます。その続きは『野良牛日誌』でお楽しみください。



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