🐾~大佐殿、恋の流しに吠える~
最近になって、どうやら外の野良猫たちの間にも恋の季節が訪れたようです。
日中から夜更けにかけて、我が家の周囲には低く響くオス猫の鳴き声が漂い始めました。
それは、どこか哀愁を帯びた、まるで流しのような歌声。
しかし、この声に一番敏感に反応するのが我が家の大佐殿です。
窓の外から聞こえるラブソングに、
大佐殿は即座に反応。
目を見開き、音の発生源に向かって突進します。
窓越しに見えるシルエットを捉えた瞬間、すかさず戦闘態勢へ――
・腰を落とし、
・尻尾を膨らませ、
・ガラス越しに睨みを効かせて、
・前脚を交互にドンドン!
さながら、「ここが俺の縄張りだぞ」と主張する番猫の如し。
窓越しなので相手には決して届かないのですが、そこは百も承知。
むしろ、「届かないから強気でいられる」ことを熟知した、大人の対応です。
💤 勝利のあとのまどろみ
しばらくにらみ合いが続いた後、
野良猫は静かに退散。
それを見届けた大佐殿は、まるで
「今日も勝ててよかったな」と言わんばかりに、ゆっくりと寝床へ向かっていきます。
そしてスヤスヤと眠りに落ちるその姿。
私はそっとタオルでも差し出したくなりながら、
セコンドのように声をかけるのです。
「お疲れさま、大佐。今夜も我が家は平和です。」
🐾 今日のひとこと
恋の季節?知らぬ。
それより我が家の領空侵犯は許さん。
―― 大佐殿、心の声より
このような日々の一コマが、我が家の静かな夜を支えてくれているのです。
もしお宅でも、恋のラブソングが響く夜があれば…
その窓際には、きっと一人の“防衛大臣”がいるかもしれませんよ。
盛りの季節が過ぎたのか、窓辺に姿を見せていた流浪の猫「祭り君」(こちらで勝手にそう呼んでいる)は、それ以来ぱったりと現れなくなった。
どこかへ移動したのか、それとも別の縄張りへ向かったのかは分からない。
ただ、あの夜の喧騒だけが、少し遠い記憶のように残っている。
それ以来、我が家では網戸が開けられることがなくなった。
理由は単純で、外からの侵入を防ぐためというより、内側の誰かが外へ興味を持ちすぎるためである。
加えて、網戸そのものの耐久性という問題もある。
爪が本気を出せば、構造的にはあまり安心できない。
そのため現在は、窓という窓が“半開き禁止区域”として運用されている。
静かな夜は保たれている。
その代わり、外の気配との距離も、少しだけ遠くなった。



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