ホロホース

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眠っている私の布団を、やたら強く爪で引っ掻いてくる存在がいる。
目覚まし時計ほどの使命感もないくせに、動きだけは無駄に必死だ。
煩わしいので膝を立てると、するりと中へ入ってくる。
だが膝を伸ばすと、
「話が違う」
とでも言いたげに、また出て行ってしまう。
そいつはなぜか
「ホロホロ……」
と、巻き舌でつぶやくような声を出す。
主張としては非常に弱い。
ヘタレで臆病な生き物、コリン。
こと「ホロホース」。
常に誰かの顔色を伺いながら、
ホロホロ、ホロホロと徘徊する気弱なカウボーイだ。
銃を持たせたら、たぶん先に謝る。
何がしたいのかは、相変わらずよく分からない。
入りたいようでもあり、
甘えたいようでもあり、
しかし決断だけは、すべて他人任せである。
それでも毎晩、
膝の角度ひとつで世界が変わる関所に、
期待半分、不安九割で現れる。
今日もまた、
ホロホロと鳴きながら。
たぶん、勇気が落ちていないかだけを確認しに。

※追記
なお現在、このスタンド使いは若い雌猫のケツを狙って家中を動き回っている。
この点だけは非常に分かりやすい。
それ以外は相変わらず、ホロホロしている。

※追記②
この本能行動が原因で、現在ホロホースは若手共に追い立てられ、窮地に陥っている。
その混乱の最中、なぜか私の財布に向かってゲロを吐いた。
若い衆たちは、その残骸を黙々と食べて片付けている。
役割分担は明確だ。
最後の拭き掃除だけが、私の受け持ちになる。
全く、ヤレヤレだぜ……。

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