OKランチと血糖値

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休みの日になると、我が家のランチハンター――同居人は黙っていられない。
新しい店の匂いを嗅ぎつけると、まるで賞金首を追う保安官のように車を走らせる。

本来なら一日一軒で十分なはずだが、この人の流儀は違う。
「もう一軒、行くか」
その一言で、ランチの荒野にハシゴという名の決闘が始まる。

今日の目的地は洒落た店だったが、駐車場は少ない。
やむなく近くのスーパーに車を停め、徒歩で向かうことに。
同居人は堂々と大通りを歩いていくが、私は妙に小心者なので、関係者を装ったような遠回りルートで現場へ向かった。

料理は当たりだったらしい。
満足げに店を出たその直後、同居人が帽子のつばを上げるような仕草でこう言った。

「ラーメン、行くか。」

――来たか、第二ラウンド。

内心ため息をつきながらも、結局席に着き、湯気立つ丼を前にする。
そして注文を終えた瞬間、同居人が突然声を上げた。

「……あっ、午後から検診だった!」

遅い。
あまりにも遅い。

私は黙って麺をすする。
この一杯は、もはやただのラーメンではない。
血糖値という名の引き金を、自ら引くための一杯だ。

午後、検診室。
静まり返った部屋のどこかで、きっと銃声が鳴る。

血糖値――決闘の結果が、間もなく告げられる。

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