普段の私は、部屋を使っているというより、置かれているだけに近い。
帰宅後は何もせず眠っているだけの存在で、整理整頓や掃除といった概念はかなり希薄だ。夜行性ゆえ昼間に眠るのだが、カーテンを閉め切りアイマスクまで装備してしまえば、周囲の物事は完全に意識の外へ追いやられる。
平日の休日。
昼過ぎまで眠っていると餌の時間がやって来る。夜行性同士の催促に押されて起き出し、朧覚えの頭で人数分の器を並べ、給餌を済ませる。
だが今回は、カーテンを開けていたことが災いした。
目に飛び込んできたのは、西部劇並みに塵と埃が舞う世界だった。
半ば唸り声のような感情を漏らしながら箒を手に取り、掃き始める。思いのほか隅々まで行き渡ったこれらの産物は、掃くたびに進化を発揮する。
部屋の目地からはトイレの砂の欠片がコロコロと転がり出てくる。笑わせに来たのか、そう思いながらさらに箒を奥へ忍ばせると、今度は紙の千切れが踊り出した。
小人の次は妖精かよ。
そんなやるせなさを滲ませながら、ふと『パルプ・フィクション』の一節を思い出す。運転中の銃の暴発で死体を作ってしまった二人が、上役のウルフに助言される場面だ。
「舐めろとまでは言わないが、それなりに見た目で分からない程度までには拭き取るんだ」
この言葉、是非ともこいつらに送ってやりたくなった。
無事に片付け終えると、私の周囲にはゴミなのか、ただ使われていないだけなのか分からない物が、想像以上に溜まっていることに気付かされる。
宝は見つからない。だが、こうした無駄な産物は、妙に面白く積もっていく。
積もる話が・・・
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