泣く布団

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私の家には猫用のゲージのほかに、手製のキャットタワーがあります。
これらはすべて下の階に設置されており、リビングルームの三分の一ほどを占めています。構造としては、ほぼ天井付近まで猫が渡り歩けるようになっていて、棚を段違いに配置した特別な階段も設けました。左右どちらからでも上り下りができるため、逃げ道が一方向に偏らない作りになっています。
その際に生まれた下部の隙間は、猫たちの避難場所として機能しています。外側からは入りにくく、内部にいる猫だけが落ち着いて身を潜められる、言うなれば「座敷牢」のような空間です。
ここには一(はじめ)などの細身の猫が好んで入り、騒がしさから距離を取る場所として使っています。誰かに追い立てられたわけでもなく、ただ「ここにいれば干渉されない」と分かっているような、そういう使われ方です。
昨夜の出来事を境に、一はさらに引きこもりがちになりました。
一日の半分ほどを、あの座敷牢で過ごしています。姿は見せませんが、ウシガエルや渡り鳥の鴨が発するような、あの独特の音で、そこにいることだけは分かります。
そして今朝、私の布団の中から不思議な音が聞こえてきました。
どうやら下で追い立てられた一が、私の布団に避難してきたようです。
布団が、まるで哀しく泣いているような音でした。
それを聞いているうちに、なぜかこちらまで切なくなってしまいました。
泣く布団の上から、そっと手を添えてやると、その音は静かになります。
しかし、それを離れた場所から静かに傍観している月丸の眼差しが、時にひどく痛く感じられることがあります。

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