猫の礼儀作法

昨日の出来事になるのですが、時間はおおよそ午後四時から五時くらいのことだったと思います。私は夜勤明けの疲れもあり、ぐっすりと熟睡していました。
その静かな時間を、いきなり破る者が現れます。
手のひらに走る鋭い痛み。
「ッ!」
飛び起きてみると、そこには犯人がいました。
徐倫です。
どうやら私が起きないことに苛立ち、甘噛みという名の攻撃を仕掛けてきたようなのですが、この猫の甘噛みには、どういうわけか少々の悪意が混じります。遠慮という言葉を知らない力加減なのです。
理由は簡単でした。
小腹が空いたのでしょう。餌の追加要求です。
しかし私は思うのです。
どうせサービスをしてもらいたいのならば、それなりの誠意というものがあるはずです。これは人としての道理ですが、猫にも多少は通用しても良いのではないでしょうか。
例えば、こういう態度です。
「上の階の叔父様。熟睡中大変申し訳ないのですが、私たち少々暴れ過ぎて小腹が空いてしまいました。あなたが夜勤明けでお疲れなのは十分承知しているのですが、もし可能でしたら、椀に少し多めに餌を盛っていただけないでしょうか。」
これくらいのたしなみで、ひれ伏して頼むのが、熟睡中の者に対する礼儀というものではないでしょうか。
そんな話を同居人にしてみたところ、返ってきたのは一言でした。
「あの猫がひれ伏す姿、想像できない。」
確かに、私も少し難しい気はしています。
徐倫は今日も、遠慮という文化を学ぶ気配はなさそうです。

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