下の階にて、悲しい様相を醸した鳴き声が響き渡っている。
声の主は、巨漢で大食いの「のの」だ。
同居人が焼いていた珍味盛り合わせのお好み焼きが、
自分の腹に収まるものだと思い込んでいたらしい。
食い物の恨みは深いというが、
それをとてもよく描写した歌声である。
この悲しい唄を尻目に、
他の住人たちは上の階での食事を楽しんでいる。
普段ならば、大食い野郎に奪われるのが定番だ。
だが今回は、ゆっくりと食事ができることのほうが
彼らには利点のようでもある。
大体、煩わしい存在というものは日常生活を妨げる。
しかし、こうした逆転の日々もあることが、
面白いのだと思う。



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