2025-10

法と苦楽詩(ほうとくらし)

第9回 半年で踏み外した道──外国人実習生の現実と、刑務所生活への道 ( 余談篇 )

被告人の人物像と、崩れていった生活の輪郭日本にやって来て、わずか半年足らずでこれほどの凶悪犯罪を起こした被告人。彼は職場での人間関係にも馴染めず、会社から支給された社員寮の使い方さえ十分に理解しないまま、他人に依存する生き方を続けていました...
法と苦楽詩(ほうとくらし)

第8回 法廷と神輿とおーいお茶

~評議と秋祭りが交錯する、自由人の一日~控え室にて、緑茶とともに判決を待つ判決前の控え室は、独特の静けさと緊張感が漂っていました。机の上に置かれた「おーいお茶」が、まるで今日の判決を一緒に見届ける“相棒”のように見えます。午後1時15分から...
法と苦楽詩(ほうとくらし)

第7回 評議 ― 市民の声と司法の間で

◆ 評議という名の「最後の議論」法廷での論告・弁論・被告人の最終陳述を終えた翌日、我々裁判員は控室にて罪状を決める話し合い、いわゆる評議に入りました。裁判官3名がそれぞれ役割を担い、我々の意見を引き出していく形で進行します。右陪席の判事が進...
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第6回:論告(検察官)・弁論(弁護人)・被告人最終陳述

※評議直前の、静かなクライマックス集合・入廷我々補充裁判員の集合は午後12:50。裁判官3名とともに午後1:10に法廷へ入りました。いつもの所作──礼に始まり礼に終わる──を済ませると、いよいよ後半パートの始まりです。論告(検察官)――簡潔...
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第5.5回 被告人質問(弁護人&検察官)コラム風

第5回 被告人質問(弁護人&検察官)この事件の審理も、いよいよ後半戦に差しかかってきた。被告人は事件を起こした後も、自らの頭で考えることをせず、社員寮の同僚から吹き込まれた言葉を鵜呑みにして、偽証を繰り返してきた。検察側にとっては歯がゆい思...
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第5回:被告人質問(弁護人 & 検察官)|幼稚な偽証と文化の断絶が見せた現実

裁判はいよいよ後半戦へこの裁判もいよいよ後半戦に差し掛かりました。今回の中心となるのは、被告人に対する質問――いわゆる「被告人質問」です。ここでは検察官と弁護人、それぞれが被告人に直接質問を投げかけ、事件の真相に迫ろうとします。入れ知恵に踊...
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第4回:証人尋問 目撃者&法医学者編|スタンド包丁と文化のズレが浮き彫りに

目撃者の証言は「見ざる言わざる聞かざる」今回の法廷では、目撃者による証言と法医学者による専門的な解説が行われました。最初に登場した目撃者は、事件当時の現場を見ていた人物……のはずでしたが、実際には「見ていない」「覚えていない」「分からない」...
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第3回:証人尋問—法廷で見る「リアル」とは?( その2 )

今日も控え室でお~いお茶片手に待機。テレビや映画では、被害者はいつも同情されるキャラクターとして描かれますが、実際の法廷は全く違いました。被害者の印象軍隊上がりのガッシリ体型自意識過剰でちょっと傲慢なるほど、映画的な「かわいそうな被害者」は...
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第3回:証人尋問—客観性と人間ドラマを垣間見た日 (その1)

今日は裁判の証人尋問。被害者や目撃者から直接事件の状況を聞く日です。法廷に座っていると、当事者同士の心理戦が微妙に見えてきます。被告人 vs 被害者被告人の主張:「たまたま包丁を持っていたら刺さっちゃったんです…」被害者の主張:「殺してやる...
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【補充裁判員体験記・第1回】法廷への招待状と宝くじ気分

地方裁判所4階にある会議室の窓からは、萬翠荘と城下町が見渡せます。観光気分になりそうなロケーションですが、ここは法廷への“舞台裏”の入口。この日、私は補充裁判員として社会の“ひび割れ”に足を踏み入れることになりました。◆ 教材DVDで「裁判...