
~評議と秋祭りが交錯する、自由人の一日~
控え室にて、緑茶とともに判決を待つ
判決前の控え室は、独特の静けさと緊張感が漂っていました。
机の上に置かれた「おーいお茶」が、まるで今日の判決を一緒に見届ける“相棒”のように見えます。
午後1時15分から判決文の確認が始まり、3時には法廷で判決が言い渡される予定です。
そんな厳かな時間を待っていると――。

外はお祭り、内は評議。まるで二重構造
窓の外から聞こえてきたのは、威勢のいい掛け声と太鼓の音。
ちょうど松山の秋祭りの真っ最中で、町全体が神輿モードに突入していました。
まるで映画『パージ』さながら、普段は温厚な人々がこの日ばかりは悪役風に大変身。
一方こちらは、法と証拠を武器に人の運命を左右する評議の場。
このギャップが、何とも言えない不思議な感覚を呼び起こします。

検察 vs 弁護 ― 争点は「殺人未遂」か「傷害」か
今回の争点は、検察側が主張する「殺人未遂」か、弁護側が訴える「傷害罪・執行猶予付き」か。
裁判長の話では、殺人未遂が認定されれば最低でも5年、通常は7~8年が妥当なラインとのこと。
私は客観的に見ても、検察官側の主張に賛同しています。
補充裁判員として評決権はないものの、自分の意見を述べる場はきちんとあるため、
言葉に詰まらないよう、短く的確に意見をまとめる練習もしています。

評議は“結論ありき”ではない。けれど…
評議は、裁判官・裁判員全員で行う真剣な話し合いの場です。
ただし、裁判官側はある程度の方向性を持っている印象もあります。
だからといって、流されるわけにはいきません。
被告人に好印象を持っているわけではないので、事実と証拠に基づいて冷静に判断していきたいと思っています。
法と日常が交錯する、不思議な一日
判決を待ちながら、窓の外では神輿が威勢よく担がれていく。
「もしかして、実刑判決を祝っているのでは…?」と錯覚しそうになるほどの盛り上がりです。
のどかな愛媛でも、法と人間ドラマは意外と身近なところに潜んでいる――。
そんなことを感じた一日でした。

まとめ:自由人のつぶやき
裁判と祭り。法律と日常。緊張と笑い。
この相反する空気の中で、緑茶を片手に一人、評議を待つ自由人。
「法と苦楽詩」というカテゴリー名のとおり、
法律の世界にも、ちょっとした人間味と日常の香りを混ぜ込むと、
思わぬ“読み物”になる気がしています。



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